《 大阪府泉南郡田尻町 介護予防事業 》

聞こえづらさにより社会的に孤立してしまう高齢者を見逃さない。

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大阪府田尻町の介護予防事業の現場では、きこえチェッカーの活用が始まっています。 「体操教室 人生大漁サロン」に参加者にチェックを実施し、希望者には言語聴覚士による個別相談や、医療機関受診を案内しました。 ”気づき”から予防・支援へとつながる、確かな手応えが見えてきています。

介護予防の現場で「きこえチェッカー」が果たす役割

「最近、会話が聞き取りづらくなった気がする」——そんなちょっとした変化に、本人も周囲も気づけずにいることは少なくありません。大阪府田尻町では、介護予防の取り組みの一環として、地域の高齢者が参加する「体操教室 人生大漁サロン」の場を活用し、96名の方に対してきこえチェックを実施しました。 その結果、“参加者”の28%が、聞こえの年齢が実年齢よりも5歳以上悪いことがわかりました。また、聞こえにくさに自覚がある人も24%と、4人に1人いることが明らかになりました。

これをきっかけに、聞こえにくさの自覚がある方の半数が耳鼻科を受診しました。この数字は、日本補聴器工業会の調査「JapanTrak2022」によると、聞こえにくさの自覚がある方が医師へ相談する割合38%を上回っており、きこえチェッカーを使用した聞こえのチェックが行動につながっていることが示されています。

また、希望者を対象に言語聴覚士による個別相談を行ったところ、参加者の3人に1人が相談に参加し、きこえチェッカーをきっかけに聞こえに関する意識が高まっています。

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聞こえにくさから体操教室への参加が減っていた方が、補聴器を装用することによって、再び体操教室へ参加するようになりました。この取り組みのポイントは、「聞こえづらさ」にいち早く気づくことで、社会的な孤立やコミュニケーションの断絶を防ぐことです。 ちょっとした違和感が適切なサポートにつながる——そんな「気づきの場」を地域の中に生み出していくことが、これからの介護予防には欠かせないのかもしれません。

「きこえ」は心のバロメーターかもしれない

体操をしながら、少しずつ体と心がほぐれていく——そんな時間に、もうひとつの「気づき」をプラスする。それが、田尻町で行われている「きこえチェック」の位置づけです。 検査ではなく、あくまで気軽な確認。結果は「聞こえの年齢」として自身の年齢と比較でき、わかりやすく聞こえを知ることができます。会話を楽しむための手がかりとして、言葉の届きやすさを見直す小さな一歩です。 参加者の多くは「耳のことなんて考えたこともなかった」「なんとなく聞き返すことが増えてたかも」といった声を口にし、初めて“きこえ”を自分ごととして捉え始めています。 誰かと笑うために。話しかけられたときに、ちゃんと返せるために。 このチェックが、日々の暮らしを少しだけ前向きにするきっかけになっているようです。

現場スタッフが語る“変化のきっかけ”としての役割

「聞こえチェッカー体験をきっかけに補聴器を装用し、サロンへの積極的な参加や補聴器購入助成制度導入につながりました」。そう話すのは、現場でサポートにあたるスタッフのひとり。 大阪府田尻町の介護予防事業における「きこえチェック」は、単なる測定ではありません。 「話し相手の声が聞こえにくくて会話をあきらめ、サロンなどへの参加を控えてしまう」「聞こえづらさを自覚していなかった」——そんな“見えない困りごと”を、本人も周囲も把握するための対話の入口なのです。 スタッフにとっても、数値では見えない小さな変化に気づける貴重な機会。そこから本人の気持ちに寄り添いながら、必要な支援につなげていく。 そんな現場の積み重ねが、地域の中に「孤立させない仕組み」を静かに根づかせつつあります。

大阪府田尻町役場
大阪府泉南郡田尻町嘉祥寺375−1
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